レーシックからのセレクト

IGG、IGA、IGM、IGDの骨髄瞳は一九六七年以前にすでに報告されていたが、一九六七年、スウェーデンのJ博士によって報告された骨髄腫患者ND氏より得られた骨髄タンパクーNDは、I博士がブタクサ花粉症患者血清よりレアギンを精製して名付けたEと共通であることがわかり、新しい免疫グロブリンはその名前がIGEに統一された。

IGE骨髄腫はスウェーデンに続きアメリカ、日本でも見つかっているが、数は少なく、世界でも一○例ほどしか報告されていない。 IGGは血清一○○、の全タンパク七g中、約一gを占め、液性抗体の主要成分を占める。
IGG抗体は抗原と反応すると補体という血清成分を活性化し、補体の持つ傷害作用を発揮させる。 IGMは血清一○○中約二○○で、特定の抗原で免疫した場合、もっとも早く出現する抗体がIIGE骨髄腫タンパクはそれまで不可能とされていたIGE抗体(それまでレアギン)の臨床検査を可能にした。
IGE骨髄腫タンパクは患者血清一○○皿中に数gある。 一方、正常人では一○○皿の血清中IGEは約一○g、花粉症、気管支瑞息、アトピー性皮層炎などのアトピー疾患患者および寄生虫感染でIGEがきわめて高い例でも一○○中数にすぎないので、IGEを精製するのはたいへんな労力と時間を有する。
これに比して、IGE骨髄腫タンパクはIGE骨髄腫患者の血清中に大量にあり、しかも他の免疫グロブリンは産生が抑えられてきわめて少ないので、精製したものにほとんど混じってこない。 この精製容易なIGE骨髄腫タンパクをウサギに注射して抗IGEを作り、抗IGEを用いて血清中のIGE抗体やIGE量を測定することができるようになった。
これによって花粉症、アトピー性気管支炎、アトピー性皮層炎などのアレルギー患者、寄生虫感染患者で血清総IGEが高いことがわかり、アレルゲンに対するIGE抗体量も測定できるようになったのである。 IGM抗体である。
IGMは免疫グロブリンの基本構造が五つ連結した構造になっており、細菌など粒子様のものを凝集する能力が大きい。 IGGと同様、抗原と反応すると補体を活性化させる。
IGAは一○○中平均一二○○で、血清中にも存在するが、唾液、噂疲、消化液など分泌液中の主要免疫グロブリンであるのが特徴で、外部からの感染に対する防御において重要な役割を果たしている。 分泌液中のIGAはIGA二分子が結合しており、また血中IGAと異なりS成分という部分を持っていて、消化液の影響を受けにくくなっている。
IGDはIGEよりやや多いが、血清一○○中に二○以下とわずかの量である。 IGDと反応できる抗原はほんのわずかで、IGD自身の役割はわかっていないが、B細胞の成熟に関係するらしい。
IGEは即時型アレルギーに関与する免疫グロブリンである。 血液中の白血球の一種である好塩基球、および気管支壁などにある肥満細胞と強く固着する性質を持っている。
固着したIGEがアレルゲンと反応すると好塩基球、肥満細胞からさまざまな化学物質が出てきてアレルギー症状を起こす。 免疫グロブリンはなんらかの抗原あるいはアレルゲンと反応する抗体としての性質を持っている。
その免疫グロブリンは白血球の一種類であるBリンパ球の成熟した形質細胞で作られる。 Bリンパ球は骨髄の幹細胞から作られ、血液中に流れているが、体の各所にあるリンパ節に存在し、また臓器中のリンパ球集団中に数多く存在する。

IGEを作る形質細胞は気道壁や消化管壁など、外部からのアレルゲンが侵入しやすいところに比較的多く存在する。 細胞性抗体は白血球の一種のTリンパ球にある。
Tリンパ球(T細胞)はその表面に抗原と反応できるT細胞受容体を持っている。 T細胞にはアルファ・ベータという構造の受容体を持つものと、ガンマ・デルタという構造の受容体を持つものがあり、後者の受容体はノーベル賞を受賞したアメリカのM科大学教授のT・S博士によって明らかにされた。
細胞性抗体は抗原(あるいはアレルゲン)とそのまま反応するのではない。 まず抗原はマクロファージ(貧食細胞)などの内部に取り入れられて消化される。
抗原タンパクが消化されてアミノ酸がいくつかつながったペプチドになったものをMHCという特別の分子にはさんでT細胞に示す。 したがってマクロファージなど、この種の作用を持つものを抗原提示細胞といっている。
MHCは主要組織適合性複合物の略で、抗原ペプチドが自己の持つ物質と同一であった場合、T細胞が反応するのを防ぐ役割を持っている。 細胞性抗体を担っているTリンパ球は抗原と反応すると、さまざまな活性物質を外部に放出する。
これをサイトカインといっており、ツベルクリン反応タイプの遅延型アレルギー(後述)を起こすTリンパ球はマクロファージなど炎症細胞を集めてくる作用を持つサイトカインを持っている。 T細胞の役割として、遅発型アレルギーのほかに、Bリンパ球の液性抗体を産生するのを助ける抗原表面は抗原提示細胞で分解されて抗原ペプチドとなり、組織適合性抗原とともにヘルパーT細胞(TH)の受容体に提示される。
THよりB細胞の抗体産生をヘルプする因子が出る。 サプレッサーT細胞(TS)は、TH、Bの作用を抑制する。
TH,TSは胸腺由来で、Bは骨髄由来である。 作用を持つもの、抑制する作用を持つものがある。

ヘルパーT細胞にはI、U型があって、U型からIGE抗体産生を増強する物質(ILl4)が放出される。 またU型から白血球の一種、好酸球を集めてくる物質(ILl5)が放出される。
好酸球は現在、悪玉と考えられており、そういう意味でU型ヘルパーT細胞はアトピー性疾患で重要な役割を果たしている。 T細胞の由来は骨髄で作られる幹細胞であるが、これが前胸部にある胸腺という小さな臓器に入ると、成熟してT細胞となる。
Tはサイマス(胸腺)の頭文字Tをとったもので、胸腺由来細胞の意味である。 一方、B細胞は骨髄(ポーンマロー)由来細胞の意味である。
T細胞は胸腺をはじめ、ほぼB細胞と同じようにリンパ節や臓器リンパ球塊に分布している。 胎生期のある時期に抗原に接すると、それと反応して抗体を作りうるT細胞は死滅してしまう。
したがって自己の成分にたいして抗体は作られない。 しかし、ある程度の年齢に達してから自己抗体の作られる場合がある。
それが自己免疫疾患で、腰原病などが含まれる。 自己抗体のできる理由はウイルス感染説をはじめ、さまざまな説があるが、よくわかっていない。
冒頭で述べたとおり、アレルギーはフオンピルケーによると「変化した能力」であり、その結果生じた病態はアレルギー疾患、あるいはアレルギー反応と称すべきであるが、アレルギー疾患の「疾患」は省略されて、単にアレルギーと称されることがしばしばある。 アレルギーは通常I〜V型に分けられる。

I型アレルギーは即時型アレルギーと呼ばれ、抗原が体内に入ると一五〜二○分で最高に達する反応で、その例として室内塵にアレルギーを持つ人の皮内に室内塵エキスを少量注射すると、膨疹というむくみと、それを取り囲んで紅斑と呼ばれる紅色反応が出てかゆみを伴う。 その反応は一五〜二○分に最高に達し、一時間程度で消える。

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